本プロジェクト（研究）は将来、日本全体の検査・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さまに最善の医療を提供することを目指すものです。当院では同プロジェクトに開業医からも参加できるように事前に準備をしております。

具体的には当院での内視鏡検査を受ける際に、同学会から指定されたデータを収集できるような問診・内視鏡所見を記載します。その当院でのデータも本プロジェクトが始まった際に参加したいと考えております。

日本消化器内視鏡学会では、この研究で集められたデータを分析することで以下のことを明らかにするつもりです。

• 内視鏡関連手技を行っている施設診療科の特徴
• 医療水準の評価
• 適正な日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医の配置、消化器内視鏡技師、看護師などのコメディカルの適正な配置
• 早期癌登録に対する精確な情報収集
• 内視鏡検査、治療を受けた方の予後
• 内視鏡検査・治療の医療経済的な情報収集
• これから内視鏡関連手技を受ける方の死亡・合併症の危険性　など

この研究は、診療記録で記載されていた内容を用いますので、該当する患者さまの現在・未来の診療内容には全く影響を与えませんし、不利益を受けることもありません。解析にあたっては、個人情報は匿名化させていただいておりますので、その保護には十分配慮いたします。当然ながら、学会ホームページや学術集会や論文などによる結果発表に際しては、個人の特定が可能な情報はすべて削除されます。

この研究に関して不明な点がある場合、あるいはデータの利用に同意されない場合には、当院までご連絡いただきたいと思います。また、この研究への参加をお断りになった場合にも、将来にわたって当院における診療・治療において不利益をこうむることはありません。

調査する診療記録・検査記録の一覧

以下は大きな病院での記録項目であり、実際は（当院では）すべての項目に対応しているわけではありません。

• 検査日、年齢、性別、ASA Grade（麻酔前の全身状態）
• 抗血栓薬（使用状況ならびに中止、置換の有無などの詳細）
• 喫煙歴ならびに喫煙の有無
• 飲酒歴および飲酒状況、悪性腫瘍、家族歴、他臓器癌既往歴
• ヘリコバクターピロリ感染状態、内視鏡検査の予定性、外来・入院
• 検査目的、治療目的、鎮痙剤使用状況、鎮静・鎮痛・麻酔に関する事項
• 内視鏡の挿入経路、使用スコープ情報、送気の種類、特殊観察法、観察範囲
• 手技開始・終了時間、手技中、手技後偶発症、30日以内の死亡の有無
• 実施医師名（医籍番号）、副実施医師名（医籍番号）、内視鏡看護師・技師名
• 腹部手術歴、生涯大腸内視鏡歴、造影範囲、挿管、胆管・膵管径
• 挿管難易度、胆管へのアプローチ方法　など

参考

• 日本消化器内視鏡学会　ホームページ
  https://www.jges.net/
• 東京大学病院　光学医療診療部　ホームページ
  https://www.h.u-tokyo.ac.jp/patient/depts/kougaku/
• JED Project　ホームページ
  https://jedproject.jges.net/